【本紹介】表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 感想
表参道のセレブ犬とサバーニャ要塞の野良犬
今回はお笑い芸人オードリーの若林正恭さん著書「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」についてご紹介します
芸能人が書く本に関しては普段あまりすすんで読む方ではないのですが
個人的にオードリーのファンで、とりわけ最近は春日派より若林派になっていたことと、友人と好きな本についての話になったときにオススメされたので読んでみることに
この本を読んでから芸能人が書く本の魅力に少し気づけた気がする
それは
テレビでよく見る人が書いていることによって、その人の性格やバックボーンが前提としてスムーズに入ってくることである
特に今回紹介する本のようなエッセイ本には色濃く出る気がします
この本は若林さんがキューバを旅した時のことが描かれているエッセイである
オードリー若林という人物
オードリー若林といえば、優しいながらも野性味あふれるいじられキャラ春日とは正反対の自他共に認める人見知り、なにかと悲観的、ネガティブといった人柄がテレビなどで見受けられる
嫌なことがあった日は寝る前にジェンガを一人で積み、ギリギリのバランスを保つところまで作り上げた瞬間思い切り蹴り上げそのまま眠りにつく
という話を聞いたときは腹を抱えて笑った
若林さん目線の旅
そんな若林さんの一歩引いたところからみた旅行記は、ことあるごとに人間味を感じさせてくれる
旅が始まる前の不安だけでなく、陽気な外国人を見ながら心の中では「明るいなぁ、、いや、うるせぇな」などと思ってしまう正直すぎるところは、このエッセイから一切の嘘臭さを取り除く
故にキューバという国について事細かに表現されている描写は、実際にその光景が目に浮かぶようで、「キューバいってみてぇぇぇぇ!」と感じることだろう
キューバという国の魅力
ここで少しキューバについて軽く説明してみようと思う
実はキューバという国はかつて経済制裁を受けたこともあり、自由な貿易がままならなかった、それによって今でも70年大のクラシックカーが走り、古いものが大切に使われている
ただ、2015年にアメリカとの国交が正常化されたことにより、これからはキューバ国外から多くのものが運ばれてくるため、今のキューバは近い将来見ることができなくなってしまう
これだけでも十分キューバに行きたくなるのだが、この国の魅力は歴史や人々にもある
そこはぜひ読んでいただきたい
タイトルに込められた想いは?
なんといってもこの本はタイトルが長い!
日本のオシャレ街表参道の犬とキューバにあるスポットの1つカバーニャ要塞、にいる犬
なんの関係があるのか?
本書の中ではこの二つが対比されている
真昼間のカバーニャ要塞、死んでいるかのように寝そべっている野良犬になぜか目を奪われた。薄汚れて手厚く扱われている様子はないが、なぜか気高い印象を受けた。
旅の中、不思議と目に入ってきた一匹の犬、若林さんはその犬に魅力を感じます。
その犬はだれに飼われているわけでもなく何かが保証されているわけでもない。寝たいときに寝そべり、観光客に餌をもらって生きている、そして見た目はもちろん綺麗とはいえない、ただ、なによりも自由に見えた
一方表参道のセレブ犬は、みなさんはどう思うか
東京で見る、しっかりとリードにつながれた、毛がホワホワの、サングラスとファーで自分をごまかしているようなブスの飼い主に…
ってここら辺の若林節はたまらないけれど、この対比には現代を生きる我々にとって とても大切なことが隠されていると思う
本来はここの描写も、なにもヒントなしで実際に読んでいただきたいところだが、なぜここで触れたかというと
それ以上の見どころがこの本には詰まっているから!
ただの旅行体験記ではない!
芸能人といえど海外に行けば私たちが抱えるような問題を同じように感じる
異国の地、言語、文化、さまざまな問題やワクワク感には、行ったこともないのについ「わかるわかる〜」と感じてしまうほど
ただこの人の旅行体験記、序盤はまるで自分もキューバにいるようにスイスイ進み、終盤は意外な展開を迎えます
エッセイの最後は感動で鳥肌が立ちました
まさかお笑い芸人にウルっとさせられるとは思わなかった
続きはぜひ、実際に手にとって読んでいただきたいと思います!
以上!